6月と11月に、全国で開催される四谷大塚の「全国統一小学生テスト」(無料)
ホームページに書かれていないことや、申し込む前にぜひ考えてほしいことをお伝えします。
わが家は子どもが中学生ですので、数年前の話ですから変わることもあるかもしれません。
2023年は4年生の最優秀30名への褒賞『アメリカIvyLeague視察団』が4年ぶりに復活しましたね!
目次
あなたとお子さんはガチ勢か、否か
まず、全国統一小学生テストをなぜ受けるのかでタイプが分かれると思います。
CMをみて「お!うちもやってみるか!」なのか、中学受験塾に通っていて「行くぜ決勝!!」なのか。
その両者がごちゃまぜになって受けるのが全国統一小学生テストですので、私は両者ともに注意が必要ではないかと感じています。
そんな無料テストで大げさな、と思う方もいるかもしれませんが、特に初めて受けるという方、お子さんが塾に通っていないという方はどうぞお付き合いください。
塾に通っているお子さんの場合
通っている塾は違っても、お子さんはテストや塾の雰囲気に慣れているはずですから、テストを受けることに心配はないと思います。
正直なところ、私は全国統一小学生テスト(以下全統)は「お祭り」だと思っています。
塾のテストとも違いますし、小3以上の各学年上位50名は「決勝戦」があるところもイベントっぽくて好きです。
塾の種類は様々ですので一概に言えませんが、全統は、塾のテストよりも偏差値が高めに出ることが多いです。
私の体感だと、中学受験塾の場合は四谷大塚の偏差値プラス10くらいになるかなといったところ。
子供にとっては塾のテストよりも10も偏差値が上がるのですから、A君のように自信になる子もいます。
しかし残念ながらA君の親は偏差値が高くなるからくりを知っているので納得いかない様子。
A君は「頑張ったのにどうして褒めてくれないの!」と不満そうでした。
ちなみにA君、6年生の11月も受けていました。
理由はやはり「偏差値が高くなって自信がつくから」(笑)
しかし6年生の11月といえば中学受験も佳境ですから、A君の親は「どうして受験に関係のないテストを受けるの!受験勉強してよ!」と怒っていました^^i
中学受験をする層には、なんとも微妙なテストと言えるかもしれません。
四谷大塚以外の塾の子は全国統一小学生テストを受けてるの?
全国統一小学生テストは四谷大塚という老舗の塾が行っているテストです。(林先生でおなじみの東進ハイスクールも経営しています)
年長~6年生まで誰でも受験できるのですが、ふと思いませんか?
四谷大塚以外の塾の子は受けるのかな?
四谷大塚の勧誘テストとも言われてるから、塾に行ってる子は受けないんじゃない?
いや、iPad(決勝30位以内の褒章)狙いの強者は受けるのでは?
気になって私の周りに簡単なリサーチをしました。
その結果ですが、四谷大塚の子は全統が必須と聞きました。
その他の塾のN、W、Rのママは「受けたことはあるけれど、5~6年生はほとんど受けてないんじゃない?」
Sのママは「私の周りで受けた子は聞いたことがない」とのこと。
毎回、各学年2~3万人が受けているテストですが、塾に行っている子に関しては四谷大塚の子が多く、小4までは準拠塾(四谷大塚のシステムを使った提携塾)の生徒さんも受けているという感じ。(あくまで推測です)
小規模塾で「うちの塾の子が全統で決勝進出しました!」というのを見かけますが、ほとんどは小4以下です。
四谷準拠以外の塾だと「塾の模試と全統の日が重なって受けられない」ということもありますね。
「全国統一」だけれど、県別の受験者数はどれくらい?
とある回の全統の資料ですが、おおよその感じをつかめると思います。
全国 29000人
100人以下
青森、岩手、秋田、福井、鳥取、島根、高知
101~300
山形、福島、栃木、群馬、新潟、富山、石川、奈良、和歌山、岡山、徳島、香川、山口、差が、大分、宮埼、沖縄
301~500
山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、愛媛、長崎、熊本、鹿児島
501~700
宮城、茨城、
701~1000
愛知、大阪、兵庫、広島、
1001~2000
北海道、埼玉、福岡
2001~ 千葉
3001~ 神奈川
6001~ 東京
全統は、全国の順位も出ますが、都道府県別の順位も出ます。
少ない県ですと20人程度ということもあります。
きっといろんな感情が沸き起こると思いますが、まずは子どもの感情を大切にしてあげてください。
どういうこと?という方は続けてお読みください。
低学年で塾に通っていない場合 気になる平均点は?
低学年でも塾に通うお子さんはテストや塾の雰囲気になれていると思いますが、塾に通っていないお子さんは絶対に心細いはずです。
全国統一小学生テストって、実はちょっと難しいんです。
低学年の場合は、平均点が60~70くらいになるように作られています。
さらに塾は小学校と教室のムードが全然違います^^i
子供が低学年の時、テストが終わって会場から出てきたわが子は神妙な顔つきでした。
「難しかった……」と肩を落としていたのを覚えています。
中には、親を見た瞬間に泣いてしまう子も何人かいました。
緊張が解けたせいもあると思いますが、「テストが難しかった」「全然できなかった」と親に話す子が多かったです。
きっと、全国統一小学生テストを受ける子って、学校のテストではいつも100点とか、悪くても80点とかだと思うんです。
回答欄が空欄のままという経験もあまりないと思います。
外部のテストで初めて「できなかった」を経験するのですから、それはつらいでしょう^^i
テストが終わったお子さんへの第一声は「お疲れ様、頑張ったね」です。「どうだった?」ではありません。
そしてテストが終わったお子さんを絶対に責めてはいけません。絶対にです!
初めての全国統一小学生テストなら、対策授業を受けてみよう!
全統の会場は、四谷大塚系の塾が会場になっており、全国にあります。
公式ホームページにもある通り、試験よりかなり前の日に全統用の「対策授業」が行われています。
国語と算数で120分程度のレクチャーがあります。
塾によりますので、申し込んだ塾に問い合わせてみてください。
塾の雰囲気に慣れておくのにいいですよ。
塾の先生たちは、丁寧にフォローしてくれます^^
実際に問題を解いたりしますが、同じような問題は本番で多分出ないのであしからず……
高学年で塾に通っていない場合 平均点は半分ほど
ここが実は一番気がかりな層です。
全国模試や塾の模試を受けたことがなければ自分の立ち位置がわかりません。
「学校じゃいつも100点だし、ワンチャン決勝いけるのでは?」という考えは……甘いです。
高学年の平均点は半分くらいと言われています。
4~6年生は算数と国語が150点満点、理科と社会が100点満点、合計が500点ですので、平均は250点くらいですね。
確かに今手元にある全統の結果を見ても、各教科およそ半分か少し上くらいの平均点です。
さらに、全統は中学受験寄りの内容ですので、「学校で習ってないよ」という問題も出ます。
中学受験塾でやっている内容ですので、通塾している子は全統の対策は必要ありませんが、塾に通っていない場合は「???」という問題も出ます。
問題を解くスピードも肝心なため、時間をかけすぎると最後までたどり着きません。
模試慣れをしている子は、テストの時間配分を考えたり、できない問題を飛ばすという判断ができますが……
決勝大会に進むには2~3万人のうちの上位50名に入る必要があります。
全統の偏差値で言うと75以上になり、東大合格者ランキングに名を連ねる中学を受験する層の子どもたちです。
学校のテストでいつも100点のお子さんであれば、結果の返却で驚くことになるかもしれません。
全教科で順位が出ますが、お子さんによってはショックを受ける可能性もありますし、思ったよりイケてた!となることもあります。
どちらにしても、大事なのは本人の受け止め方と親の対応です。
まず親御さんに強く訴えておきたいのは、「どんな結果でもプラスにできるように子どもを支える」「結果が悪くても、絶対に責めない、怒らない、絶対に!」です。
全統のテレビCMは、ポップな感じですよね。
学校のテストと同じ感じと思って受けると衝撃が走ることになりますので、平均点だけでなく「満点を取るのはほぼ不可能なテスト」と覚えておきましょう。
「テストの結果に一喜一憂しない」ができるなら全国統一小学生テストはアリ
「テストの結果で一喜一憂しないこと」
塾に通っていると、耳にタコができるくらい聞く言葉です。
子供は結果が良ければうれしいし、悪ければ落ち込むのは当然です。
しかしそこに親の気持ちが乗っかってくるとややこしくなります。
良かった場合⇒「うちの子、やればできるんだわ!」と過度に熱が入る
悪かった場合⇒「勉強が足りないんだわ!」「どうしてこんな間違いしたの!」と過度に熱が入る
「テストの結果に一喜一憂しない」のは、子どもよりも親にとって本当に難しいです。
もし親がこれをクリアできるなら受けるのはアリだと思います。
娘の場合、全体では平凡な結果でも、国語が得意で上位にいたため、「自分は国語ができるんだ」という自信になったようです。
満点が取れたときは翌日まで余韻に浸っていました^^
そしてより国語に力が入ったように感じます。(親としては算数を頑張ってほしいところでしたが^^i)
年に2回定期的に行われ、過去のテストの結果もすべて診断レポートに表示されるので過去の成績との比較ができます。
過去の自分と比較して悔しがることもあり、我が家にとっては良い方向に働いたテストだったと言えます。
全国統一小学生テストの対策 過去問をやるには
全統の公式ページの下に「過去問チャレンジ」があります。
学年のボタンを押すと、過去問が1問出てきます。
「学年別ページで詳細を確認しよう!」というボタンを押すと、4科目の問題が1問づつ出てきます。
しかし、これだけではありません。
見落としがちなのですが、一番下に「もっと問題を解く」というボタンがあります。
ここを押すと、「みんなで過去問チャレンジ!」というページが開きます。⇒ みんなで過去問チャレンジ!!
会員登録をしないとできないのですが、数年分の過去問が出てきます。
すべての問題ではありませんが、十分に対策ができます。
例)小学4年生の 算数・理科・社会の3科目の過去問(国語は著作権などがあるので掲載されていません)
2012年~2015年 6月・11月
2016年 6月
2020年~2022年 6月・11月
15回分のテストで、各科目10問程度が掲載されていますので、けっこうたくさん解くことができますよ。
ちょっと残念なのは、マークシート形式になっていて、クリックで答えるのですが操作に慣れるのが大変です。
やってみるとわかりますが、時間が計測されているので焦ってしまったり、クリックを間違えて問題の途中なのに終了させてしまったり……
コツをつかむのに手間取るかもしれませんが、平均点と順位が出ますので目安になります。
↓ これはうちの子がだいぶ前にやった結果です^^i
小3~はマークシート対策を
塾に通っている子でも、マークシートの経験はあまりないと思います。
英検を受けたことがあれば特に問題ないでしょう。
テスト前にマークシートについてのレクチャーがあるはずですが、事前に練習しておきたいですね。
マークシートは英検のホームページから4級の解答用紙をコピーすると少し似ている感じです。⇒ 英検マークシート
解けた問題は問題用紙の記号にも○をつけておくと、途中でマークミスをした時も気づきやすいですね。
本人にそこまで余裕があるかは謎ですが……
息子は問題用紙に全く書き込みをしないタイプなので、マークミスをしたらどうする気なんだろう?と、毎回ヒヤヒヤでした^^i
受験当日、父母会が行われる塾もあります 参加は自由
塾の説明会に近いものになりますが、これも塾によって内容が違います。
受けるテストやタイムスケジュールは一緒ですが、それ以外の部分は各塾に任されているようです。
通塾を検討されていたり、塾に通う気はないけれど教育に興味がある方であれば有意義な時間になりますよ。
無料のテストだけれど、勧誘がすごいんじゃない??
成績返却は、受験した塾で受け取ります。
四谷大塚のホームページには「面談で、良かった点や学力を伸ばすポイントをお話しします。」とあります。
子どもが通っていた塾では面談はなく、ただ結果を渡されるだけでしたのでどの塾で受験したかによって対応は変わります。
全統から少し離れた話になりますが、塾は勧誘に関しては案外ドライで深追いしません。(はがきが届く塾もありますが、必要ないと伝えるとすぐにストップします)
通塾を考えたときに大手3つの塾で入塾テストを受けましたが、面談では通塾をおすすめされたものの、その後電話がかかってくることもなく拍子抜けしました。
念のために付け加えますが、入塾テストの結果が悪かったためではありません^^i
E塾だけは「受けたテストは面談をしないとお渡しできない」とかたくなでしたが、Eは全統の会場ではありません。
しつこい勧誘は心配しなくてもよいと思いますが、面談がない方が良い場合は、あらかじめ受験する塾に確認してみましょう。
まとめ
全統を受けない方がいいと言いたいのではありません。
私は最初の方にも書いた通り、全統はお祭りのようなイベントだと思っています。
「良い結果でも悪い結果でも、さらりと受け止めることができるのであれば受けてもよいのではないか」という意見です。
将来通塾を検討している方であれば、全統を利用するのもいいと思います。
A君のように「自信をつけるため」に受ける子もいます。
息子は受けるたびに順位が上がっていたので面白かったみたいです。
娘は「塾の先生が受けなくてもいいって言った」ということで積極的ではありませんでしたが、多分兄と比べられるのが嫌だったのだと思います。
子供の気持ちを第一において、親がフォローできるかどうか。
全統に前に、ぜひ考えてみてください。
決勝大会を目指している方は、こちらも合わせてどうぞ!